地域コミュニティ衰退化の原因

地域コミュニティ衰退化の原因として挙げられるのが、隣近所との交流意欲の低下やライフスタイルの多様化などです。

また、単身世帯や共働き世帯の増加に伴い、地域活動に参加できない方が増加したことも要因の1つです。

さらに、少子高齢化も地域コミュニティ衰退化の原因といえます。特に地方では、地域への愛着や帰属意識の低下から若い世代が都市部へ流出し、地域活動を支える自治会役員の高齢化が問題視されています。

仕事をしながらの自治会活動には大きな負担がかかるため、役員を辞退する現役世代の方も多く、一部の住民が繰り返し役員を務めるケースも少なくありません。同じ方が役員を務め続けることで自治会活動の変革が困難となります。結果として、新規の加入者にとっては居心地が悪い環境となり、地域活動に対して消極的になる可能性が高くなります。

さらに、新型コロナウイルスの流行も地域活動の衰退化に拍車をかけました。感染予防のために地域のイベントが中止になったり、回覧板の受け渡しを行えなくなったりしたため、住民同士のつながりが希薄になったと考えられています。

令和に求められる地域活動のあり方

地域活動の衰退化を抑えるためには、昔ながらのやり方を踏襲するのではなく、時代にマッチした運営体制に整えるべきだといわれています。特に、次世代を担う若者のライフスタイルや需要に見合った地域活動のあり方を探っていくことが大切です。

例えば、「地域活動で求めることをアンケート形式で調査する」「アンケートを参考に地域活動の運営方法を見直す」「見直しを行ったうえで、SNSなどを通して若い世代に地域活動のメリットを伝える」という方法があります。地域活動に参加することでどのようなメリットを得られるのかを具体的に伝えることが、若い世代を取り込むキーポイントになるはずです。

若い世代を受け入れるための対策

多様化するライフスタイルを加味したうえで、若い世代を受け入れるための体制を自治会側が整える必要があります。古い体制を見直して運営の合理化を図り、若い世代のニーズを汲み取りながら地域活動の魅力を伝えるために広報活動を行うことが重要です。また、多様な世代が交流を楽しめるイベントを開催し、若者の地域活動デビューを支援することも効果的です。

他には、地域活動にITを導入するのも1つの方法です。主な対策として、以下の点が挙げられます。

• 回覧板のデジタル化
  アプリやメールで回覧板を配信し、受け渡しの手間を減らす
• 役員会にWeb会議システムを導入する
  Web会議システムを使って役員会を開催することで、自宅や外出先でも参加しやすいようにする

このように、新しい考え方・技術を取り入れて、若い世代も参加しやすい地域コミュニティを目指すことが大切です。