高齢者の孤独死を取り巻く現状

内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、東京23区内に住む65歳以上かつ一人暮らしの方の自宅での死亡者数は、2018年に3,882人、2019年に3,936人、2020年に4,238人となっています。孤独死と考えられる死亡事例は、年々増加しています。また、同調査では、60歳以上で一人暮らしをしている方の50％以上が、孤独死を身近な問題として捉えていることがわかりました。

出展：令和4年版高齢社会白書（生活環境）（内閣府）

主な原因

孤独死が発生する主な原因は、以下のとおりです。

・一人暮らしの高齢者が増えている

65歳以上で一人暮らしをする方は男女ともに増加傾向にあります。内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、65歳以上で一人暮らしをする方の割合は昭和55年には男性が4.3％、女性は11.2％となっており、令和2年には男性が15.0％、女性は22.1％という結果になっています。

高齢者の一人暮らしが増加した理由は、未婚率の増加や核家族化の進行などです。また、一人暮らしであることに加えて、近所付き合いや地域活動と縁の薄い状況が続く場合は、孤独死のリスクが高くなります。

出展：令和4年版高齢社会白書（家族と世帯）（内閣府）

・経済的な困窮

年金や家族からの支援だけでは生活できない場合は、自ら働いて生活収入を得る必要があります。しかし、健康上の理由で働けないことも多く、経済的な困窮に陥るケースは少なくありません。経済的に余裕がないと「病気の可能性があるけれど、医療費の関係で通院が難しい」「介護施設に入りたくても入れない」という事態が発生し、結果的に孤独死へつながると考えられています。

・親しくしている人がいない

一人暮らしに加えて、身近に親しくしている方がいないことも孤独死の原因となります。近所付き合いが希薄だと、いざというときに頼れる方が見つからず、急な体調不良も自身で対応しなければなりません。家族がいても、遠方に住んでいる場合はすぐに駆けつけることができません。そのため、高齢者の孤立は孤独死の重大な要因と捉えられています。

対策方法

ここでは、高齢者の孤独死対策についてご紹介いたします。

・地域コミュニティなどに参加する

町内会や自治会などの地域コミュニティ、同世代サークルや趣味の集まりなどに参加し、友人や知人を作ることが孤独死対策になります。社会や他者と積極的に関わりを持つようにすることで、孤独死を防げるでしょう。

・自治会による見守り活動

自治会によっては独自の条例や規則を設けて、事業者や地域住民と連携し、一人暮らしの高齢者の孤立を防ぐための体制を作っています。対策や事業内容は自治会によって異なります。基本的には、日常的に声かけ・見守りを実施し、異変が見られたときは早急に動けるようにするための内容です。

・高齢者見守りサービスの利用

民間企業の高齢者見守りサービスも対策方法の1つです。郵便局員・宅急便の配達員による安否確認サービスや電気・水道局事業者による検針時の見守りサービスなどが該当します。また、カメラやセンサーなどを利用者宅に設置し、常時見守るサービスもあります。

オールインワンコミュニケーション・グループウェア（情報共有）アプリ「Yumicom」は、安否確認サービスを搭載しています。また、高齢者が抱えるお悩みを簡単にアプリ上で発信できます。お悩みの解決に向けて話し合い、老若男女が気軽に声を掛け合える関係づくりにご活用いただけます。